水産ニュース

【週刊水産ニュース】完全養殖ウナギが食卓へ、境港クロマグロ漁終了、スルメイカ高騰(2026年7月21日〜27日)

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水産・シーフードの1週間の動きを、元記事リンク付きでまとめる週刊シリーズの第1号です。

2026年7月21日〜27日に報じられたニュースから、編集部が7本を選びました。すべての項目に出典リンクを付けています。

あわせて、今週ニュースになった魚が江戸時代にはどう描かれていたのかも、国立国会図書館デジタルコレクションの彩色図譜から並べてみます。

1. 土用の丑の日、「完全養殖ウナギ」が初めて食卓に届いた夏

『梅園魚品図正』のウナギ図(NDL PID 1286914 コマ44)
江戸後期の博物図譜『梅園魚品図正』に描かれたウナギ。図の右に「長流淡水産 鰻鱺魚」、その下に小さく「胡麻ウナギ」と読める。
出典:国立国会図書館デジタルコレクション PID 1286914 コマ44(著作権保護期間満了)

今年の土用の丑の日(7月26日)は、天然の稚魚に頼らない「完全養殖」ウナギが初めて一般消費者の手に届く節目になりました。

山田水産(大分県佐伯市)・水産研究・教育機構・マリノフォーラム21の3者が5月20日に発表した完全養殖ウナギ蒲焼の試験販売は、世界初の事例とされています。

築地の直営店では7月22日から26日まで、完全養殖うなぎを使った鰻重が1日10食限定・税込6,000円で提供されました。

量産に向けた技術も進んでいます。水産研究・教育機構・ヤンマーホールディングス・マリノフォーラム21は2025年7月、シラスウナギの種苗生産用の新しい量産水槽を開発したと発表しました。

1水槽あたり約1,000尾の生産に成功し、種苗1尾あたりの飼育コストを従来比約20分の1(1,800円程度)まで削減したとしています。

さらに新日本科学は、鹿児島県・沖永良部島で人工ふ化させたシラスウナギを年100万尾生産できる施設を建て、量産に乗り出すと報じられています。

出典: 共同通信PRワイヤー「完全養殖うなぎ、丑の日の店頭に」 / ヤンマーHDプレスリリース(2025年7月8日) / 日本経済新聞「完全養殖ウナギ、新日本科学が量産へ」

2. 境港のクロマグロ漁が終了、5年ぶりに1,000トン割れ

クロマグロの水揚げ日本一で知られる境港(鳥取県)の今季のクロマグロ漁が、漁獲枠への到達により7月21日で終了しました。

5月20日の初水揚げからのべ62隻・38回で、水揚げ量は941.2トン。例年より100トンほど少なく、1,000トンを下回るのは5年ぶりと報じられています。

『和漢三才図会』鮪の図版クローズアップ(NDL PID 898161 コマ216)
『和漢三才図会』の鮪の項。波間を泳ぐマグロの木版画が確認できる。見出し字「鮪」、読み「しび」のほか「王鮪」「叔鮪」などの呼称を含むコマ。
出典:国立国会図書館デジタルコレクション PID 898161 コマ216(著作権保護期間満了)

一方、7月に開かれた漁獲枠を巡る国際会議では、日本が大型魚の漁獲枠25%増を提案しました。

議論はまとまりかけていたものの、最終盤にメキシコが反対に転じて合意に至らず。政府は翌月末の年次会合での再討議を目指していると報じられています。

出典: TSKさんいん中央テレビ(Yahoo!ニュース) / BSS山陰放送(dメニューニュース)

3. スルメイカ、活造り1杯3,800円超。漁獲量は25年で約12分の1に

『梅園魚品図正』のイカ図(NDL PID 1287112 コマ34)
『梅園魚品図正』に描かれたイカ。図の右手には「柔魚」「小蛸魚」などの字が並び、「柔魚」の脇には「スルメイカ」と読める仮名が添えられている。
出典:国立国会図書館デジタルコレクション PID 1287112 コマ34(著作権保護期間満了)

歴史的不漁が続くスルメイカの高騰が、この夏あらためて注目されています。

FNNの報道によると、都内の店では活造り1杯が3,820円に到達。農林水産省の統計では、2000年に約33万トンあった漁獲量が2025年には約2万7,000トンまで減少しました。

代替として、北太平洋で漁獲が安定しているアカイカに脚光が当たっていると伝えられています。

出典: FNNプライムオンライン「スルメイカ歴史的不漁で活造り1杯3800円超」(公式YouTube)

4. ヒラメ400匹を「白トラ」で下関→豊洲へ。改正法施行後、全国初の荷主摘発

無許可の白ナンバートラック(白トラ)に運送を委託したとして、愛媛県の水産物輸出入会社と代表が貨物自動車運送事業法違反の疑いで書類送検されました。

TBSの報道によると、韓国から輸入された活魚のヒラメ計約400匹を、山口県の下関港から東京・豊洲市場まで運ばせた疑いがもたれています。

依頼した荷主側が摘発されるのは、今年4月の改正法施行後、全国で初めてとされています。

水産物流の担い手不足を背景に、流通コンプライアンスが業界全体の課題になりそうです。

出典: TBS NEWS DIG(Yahoo!ニュース)

5. 瀬戸内のカキ大量死、今夏も水温上昇への警戒続く

『梅園介譜』のカキ図(NDL PID 1286918 コマ36)
『梅園介譜』に描かれたカキ。殻を開いた身の質感まで細かく彩色されている。同じページの右側には「蛤蚌類」の見出しと、「牡蠣」「蠣黄」の字が読める。
出典:国立国会図書館デジタルコレクション PID 1286918 コマ36(著作権保護期間満了)

昨季、岡山県などの瀬戸内海で発生した養殖カキの大量死を受け、7月24日には岡山県議11人が瀬戸内市邑久町の産地を視察しました。

地元漁協は大量死の原因を「高水温と高塩分が同時に起きたこと」と説明しています。

岡山県の2025年11月・12月の養殖カキ生産量は、前年同期の744トンから206トンへと7割以上減少しました。今夏の海水温にも警戒が続きます。

出典: OHK岡山放送(Yahoo!ニュース) / KSB瀬戸内海放送「養殖カキの生産量7割減」

6. 深海魚「クロデメニギス」、生きた姿の撮影に世界で初めて成功

頭部が透明な深海魚デメニギスの仲間「クロデメニギス」について、米シュミット海洋研究所の探査チームが、大西洋の水深710mで生きて泳ぐ姿の撮影に初めて成功したと報じられ、SNSで話題になりました。

標本としては古くから知られていた魚ですが、深海での生きた姿はこれまで捉えられていなかったといいます。

出典: BuzzFeed Japan / カラパイア

7. スシローが価格改定、厳選まぐろ赤身は120円→150円に

あきんどスシローは7月22日から一部商品の価格を改定し、「厳選まぐろ赤身」を税込120円〜から150円〜に引き上げました。

理由として、物流費・人件費の上昇や漁獲量の変動を挙げています。一方でサーモン・いか・えびなどの人気商品は120円〜に据え置きです。

魚価の上昇が、外食チェーンの価格にも波及しています。

出典: あきんどスシロー公式「2026年7月22日(水)からの価格改定のお知らせ」 / ORICON NEWS

今週のまとめ

完全養殖ウナギの一般販売元年、クロマグロの増枠交渉持ち越し、スルメイカの記録的不漁、カキの高水温被害。

この週は「獲る漁業から育てる漁業へ」の転換と、温暖化が食卓に及ぼす影響が、同時に見えた1週間でした。

江戸の図譜に描かれたウナギやイカが、200年後にこんな形で話題になるとは、描いた本人も思わなかったはずです。

SAKANAでは毎週、水産ニュースを元記事リンク付きでまとめていきます。

※本まとめは各報道機関の公開記事に基づく紹介です。数値・詳細は各出典リンク先をご確認ください。リンク先が削除されている場合はご容赦ください。

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SAKANA 編集部

良輔 × Claude(Anthropic)

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